情熱的で感動的な物語を描く漫画家といえば、「今泉伸二(いまいずみしんじ)」
原哲夫や宮下あきらといった錚々たる師匠たちのもとで技術を磨き、1986年には『週刊少年ジャンプ』で漫画家として連載デビュー。
体操漫画『空のキャンバス』で一躍注目を集め、ボクシング漫画『神様はサウスポー』でファンの心をわしづかみにしました。
ジャンプ黄金期を彩ったスポーツ漫画家として、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
今泉伸二の作品は、友情や努力、成長をテーマにしながら、心に響くストーリーで多くの読者の心をつかんできました。
少年ジャンプを離れた後も、タイムスリップを描いた『リプレイJ』や料理漫画『食卓の騎士』など、多彩なジャンルの作品を発表しています。
そんな泣ける名作からユニークな挑戦作まで、多才で魅力あふれる今泉伸二のおすすめ作品を、ランキング形式でご紹介します!
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リプレイJ(リプレイジェイ)
あらすじ・作品解説
『リプレイJ』は、漫画家・今泉伸二による過去に戻るタイムリープをテーマにした作品。
主人公の室伏周平(むろふししゅうへい)は、かつて大学ラグビー界のスター選手だったが、現在は冴えない中年サラリーマンとして日々を過ごしていた。
ある日、心臓発作で突然亡くなった周平が目覚めると、そこは18年前の大学時代。
「リプレイヤー」として、過去の記憶を持ったまま若返った周平は、このチャンスを活かして、投資やビジネスで成功し、新たな人生を歩み始めることになるのだった。
『リプレイJ』は、2001年から2004年まで『週刊コミックバンチ』で連載され、全12巻で完結。
ケン・グリムウッドの小説『リプレイ』を原案としながらも、原作小説を大幅にアレンジし、日本を舞台にした成功物語として描いたことで、完全にオリジナル作品として評価されている。
(原作:ケン・グリムウッド)
おすすめポイント・感想・レビュー
原哲夫や北条司、次原隆二などの連載陣でスタートし、刊行当初からかなり話題になっていた『週刊コミックバンチ』
その中で、なんか既視感あるなぁと思って夜出たら、まさかの今泉伸二でびっくりした作品。青年誌に移ってからは読めてなかったので、絵柄の変化にまず驚きました。
「人生をやり直す」というテーマで、ダメ中年の主人公、室伏周平が過去の自分に戻り、成功を掴むまでを描く痛快なサクセスストーリーになっています。
過去を活かして未来を掴む!
『リプレイJ』の魅力は何と言っても、過去の記憶を活かし、未来に流行するものを先取りして成功していくストーリー。
過去の経験や記憶を頼りに、まるで未来を見透かしているかのように、次々と結果を出していく周平。
タイムループものの王道展開ですが、「スカッと感」がたまりません!
室伏以外に、もう一人の「リプレイヤー」神代洸一との対決も見どころです。
歴史の転換点を描く!スリル満点の展開!
前半は、ビジネス主体のサクセスストーリー。そして、中盤からは歴史的事件を絡めた大規模なアクション展開が繰り広げられていきます。
ソ連崩壊やベルリンの壁崩壊、アルメニア大地震やバブル経済など、現実の歴史的事件が物語の重要な背景として進行していきます。
出来過ぎな展開ではあるけれど、歴史を大きく改ざんさせずに、IFを描いてて、様々な大事件に関わっていく展開はやっぱり読んでて熱い気持ちになれます!
こんな人におすすめ
ケン・グリムウッドの名作小説『リプレイ』を題材にした漫画ですが、クレジットが原作ではなく原案になっている通り、小説の漫画化というよりは、小説を元にした完全なオリジナル作品といった感じ。
王道な展開ではありますが、タイムリープもの好きならおすすめです。
終盤の政界進出
終盤では、立ち上げた会社を手放し、政界へと打って出る室伏。
腐敗した日本を立て直しにかかりますが、正直政治関連の話には展開しない方が良かったかなぁ。
後半は政治的要素が強すぎた感じ。
ラストが残念
最終回では、リプレイ前と同時刻に心臓発作で倒れ、再度18歳の時に戻るという結末を迎え、また新たなリプレイが始まるというところで終わります。
この「再度リプレイが始まる」という終わり方は実は原作設定通りなんですけど、打ち切り漫画のようなモヤモヤしたスッキリしない終わり方に見えてしまったのが残念でした。
実質1回リプレイしただけだったので、最後は振り出しに戻って終了のような感じになってしまったけれど、原作のように何度も何度もループを繰り返してくれれば全然評価が違ったと思う。
後に、この段階での連載終了の理由として、作者の今泉伸二は自身の作画速度や体調を考慮したためと述べられています。
いつか、続編が読めるといいなぁ。
ビジネス×タイムループが相性良すぎて羨ましい。笑
あとがき
あなたがランキング1位に選ぶおすすめ作品はどの漫画ですか?
青年誌に移った頃から明らかに絵柄が変わった感じがしますね。
シンプルですっきりした絵柄のイメージが強かったけれど、劇画調の力強いタッチが目立つようになった感じ。師匠連中を見れば、むしろそっちが得意だったのかもしれない。
おそらく世間的な評価だと『神様はサウスポー』が一番人気だと思うけど、個人的には『空のキャンパス』が好き。
『VIVA!! 空のキャンバス』楽しみにしてたのに、どうなったんだろう?
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