講談社の小畑健こと朝基まさし(あさきまさし)。
どちらも高い画力の漫画家さんだけど、アクションやギャグも描けるのが朝基まさし。
漫画家単体としてよりも、「朝基まさし×安童夕馬(樹林伸)」というセットで覚えている人の方が多いかもしれない。
『サイコメトラーEIJI』『クニミツの政』『シバトラ』など、このタッグで生み出されるほとんどの作品がドラマ化されて、さらにそのドラマもヒットしているというスゴさ。
たしかに実写向きの作品が多いですよね。
同じタッグでも金田一少年の事件簿や探偵学園Qの「さとうふみや×天樹征丸」よりも大人向きな作品が多いイメージ。(ちなみに天樹征丸と安童夕馬は同一人物)
…と思ったら最近になって新たなタッグが誕生!?
今回は少年マガジン、ヤングマガジンで次々と名作漫画を生み出している、朝基まさしのおすすめ作品ランキング!
6位 BLACK OUT(ブラックアウト)
(あらすじ・作品解説)
大舞台での味方のエラーにキれてしまい暴力事件を引き起こしたエース、黒木がその真相を探る物語。
2年前の甲子園でのエラーは偶然だったのか?しかし、エラーの秘密を知る者は殺されてしまう。
友情と努力、勝利の高校野球とは一味違った斬新な野球漫画。
(原作:キサラギリュウ)
(おすすめポイント・感想・レビュー)
新約「巨人の星」花形とダイヤのAが連載中の少年マガジンで始まったまさかの3作品目の野球漫画。
と思ったけど、高校野球にサスペンス要素を加えた異色作。
原作は安童夕馬じゃないけれど、やっぱりサスペンスですね。
一見普通に見える試合に、まさかこんな陰謀が!と序盤はすごく面白い。この先どうなるんだろうとワクワクした。
けど、序盤のスリルがピークだったのが残念。
一味違った野球漫画を読みたいならおすすめ。
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5位 クニミツの政(くにみつのまつり)
(あらすじ・作品解説)
超がつくほどのヤンキーである武藤国光が立身出世をするべく政治の世界に飛び込むというストーリー。
もともと仕えていた師匠、牧原代議士からの命で、坂上竜馬の秘書となり、新千葉ヶ崎市の市長選挙を争う物語。
『サイコメトラーEIJI』のスピンオフ作品でありながら、押尾学主演でドラマ化され、2003年には第27回講談社漫画賞少年部門を受賞している。
(原作:安童夕馬)
(おすすめポイント・感想・レビュー)
政治に関してはまったくの素人同然のクニミツが、とにかく政治家になって国を良くしたいという熱い思いだけで突っ走る!
クニミツの熱い心に動かされて集まってくるキャラクター達も個性が豊かで、ギャグ要素も満載で面白い。
なんかすごく藤沢とおるのGTOっぽいなぁと思いながら読んでた記憶がある。サイコメトラーEIJIの時にも感じたけれど、サスペンスでないぶん、重苦しい雰囲気もなく余計そう感じたのかも。
- なぜ道路で工事がしょっちゅう行われるのか?
- 公共事業ってなんなのか?
- そこに政治家が絡むとどうなるのか?
漫画を読むだけでこんな疑問も解消できます。
少年漫画らしく、政治についてまったく興味ないという方でも単純に楽しめる作品。
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4位 シバトラ
(あらすじ・作品解説)
童顔の警察官でありなめられやすい柴田竹虎(しばたたけとら)、通称シバトラが非行少年を導き助けるストーリー。
非行少年たちの事情やなぜ非行に走るのかの背景まで描かれている。
2008年に小池徹平主演でドラマ化されている。
(原作:安童夕馬)
(おすすめポイント・感想・レビュー)
安童夕馬とのタッグ再び。で、再びヒット。恐るべし!
組織的に振込詐欺をおこなっていたり、覚せい剤を打ってかなりキマッていたりと、ちょっと悪いとかいうレベルではない非行少年や非行少女たち。
そんな彼らを柴田竹虎が警察官として導いていく展開がとても面白い。
主人公のシバトラは、「死がせまる人間には白い手が見える」という特殊能力を持っていて、ホラー要素もあるのでそっち系が好きな人にもおすすめ。
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3位 でぶせん
(あらすじ・作品解説)
主人公のデブでさえない福島満(ふくしまみつる)は趣味のオタクグッズで借金した上に失業してしまい、富士の樹海に自殺しようとやってくる。
しかし、そこで自分とそっくりな女性の白骨死体・福島満子を見つけ、遺留品から彼女が裕福だと知った満は彼女に成りすますことに。
彼女の生前の仕事である帝辺高等学校の教員となってしまった福島満の物語。
こちらも『クニミツの政』と同じく『サイコメトラーEIJI』のスピンオフ作品。2016年にドラマ化されている。
(原作:安童夕馬)
(おすすめポイント・感想・レビュー)
みっちゃんこと福島満を主役にしたスピンオフ作品!
サイコメトラーはサブキャラ豊富だなぁ。
単発のイロモノ漫画かと思いきやまさかの長期連載作品になりました。
朝基まさしはシリアスもギャグも描ける漫画家だとは思ってたけど、ギャグに振り切った作品も面白い。
福島満に降りかかる危機を持ち前の強運と偶然で切り抜ける様子は爆笑必至!しかもピンチになると死んだはずの福島満子が降霊して満に憑依して戦う戦闘シーンは必見!
クニミツの政がGTOなら、でぶせんは朝基まさし版のカメレオン。
サイコメトラー好きな人はもちろん、加瀬あつし作品のようなギャグ漫画が好きな人にもおすすめ。
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2位 サイコメトラーEIJI(さいこめとらーエイジ)
(あらすじ・作品解説)
漫画家、朝基まさしの代表作。
主人公の高校生、明日真映児(あすまえいじ)は、触れた物質から過去に起きた出来事を読み取ることができるサイコメトリー能力を持っている。
この能力を活かして女刑事の志摩亮子(しまりょうこ)と協力して巷で起こる連続殺人事件の犯人を追い詰める新感覚サスペンスミステリー漫画。
1997年にTOKIOの松岡昌宏主演でドラマ化されている。
(原作:安童夕馬)
(おすすめポイント・感想・レビュー)
同時期に金田一少年の事件簿が掲載されていたけれど、同じ作者とは思えないほど作品の色が違ったなぁ。実際当時は同じ原作者だと気づかなかった。
見どころはなんといっても、映児が持っているサイコメトリー能力。
今では当たり前に使われるようにけど、サイコメトラーという言葉はこの漫画きっかけで知った人が多いと思う。
サイコメトリーによって犯行現場に残された遺留品や被害者に触れることで、過去に起きた出来事や記憶をたどって犯人を突き止めていく過程が面白い。
少年誌にしては、グロい描写が多めだった印象。
カンナビス編が好きだったなぁ。
主人公が不良設定というのも珍しいパターン。
ギャグパートやヤンキー同士のケンカエピソードも多かった気がする。毎回毎回なぜか殺人事件に巻き込まれるという推理モノの王道パターンばかりではないのでそこも新鮮。
ミステリー漫画としても、ギャグ漫画としてもヤンキー漫画としても楽しめるおすすめ作品。
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聞こえるぜ・・・・?テメーの心の悲鳴が!
1位 マイホームヒーロー
あらすじ・作品解説
『マイホームヒーロー』は、普通のサラリーマンである鳥栖哲雄(とすてつお)が主人公のクライムサスペンス漫画。
哲雄は推理小説が趣味の中年男性で、娘の零花と妻の歌仙と幸せに暮らしていた。
しかしある日、零花にできた彼氏、麻取延人から零花が暴力を受けていることに気づく。
延人が哲雄の義父の資産を狙っている半グレ組織の一員であることを知った哲雄は、娘を守るために延人を殺害することになってしまう。
その1件をきっかけに、哲雄は家族を守るために次々と犯罪に手を染めていくことになるのだった。
2024年4月時点で累計発行部数は400万部を突破。2023年にはテレビアニメ化、同年、佐々木蔵之介主演でテレビドラマが放送され、2024年には映画も公開された。
(原作:山川直輝)
おすすめポイント・感想・レビュー
安童夕馬以外の原作でここまでのヒット作になったのは初めてじゃないかな?
少し読んだだけで、この連載終わるまで『サイコメトラー』の再開はないだろうと確信するほど面白かった作品。
普通の会社員が家族を守るために半グレやオカルト宗教集団と戦う、スリリングなクライムサスペンスになっています。
とにかく先が気になる!止められない緊迫感!
いつバレてもおかしくないギリギリの緊張感が続き、読んでいるこちらもドキドキしてしまうほどの緊迫感が魅力。
序盤からハラハラする展開の連続で、とにかく続きが気になってしょうがない!
犯罪を犯してしまったとはいえ、普通の会社員である哲雄が、娘や家族のために戦う姿は応援せずにはいられません。
哲雄の家族愛と殺人への葛藤
第一部では「どうやって死体を処理するか」「どうやってヤクザを欺くか」といった緊張感がすごく、
第二部でのオカルト集団と半グレたちとの三つ巴のバトルが見どころ。
家族の幸せのために、罪を償うべきか、それとも隠し通すべきか、そんな思いに苛まれる哲雄ですが、答えを出す暇を与えてくれないほど、次から次へと変化していく状況。
テンポの早い展開にページをめくる手が止まりません。もう釘付け。
こんな人におすすめ
タイトルから一見すると痛快なスカッとする展開になりそうですが、実際にはかなり暗い内容。
題材的にショッキングなシーンもありますが、朝基まさしの絵柄のせいか、適度にリアルで、かといってリアルすぎず、グロ系が苦手でも楽しめるクライムサスペンスになっています。
恐らく最終回にハッピーエンドは待っていないとわかっている状態で読み進めるのは辛いですが、それでも面白さが勝る作品です。
延人殺害から、恭一との騙し合い、そして義辰殺害までとにかくドキドキが止まらなかった。リアルとフィクションのバランスがすごくいい!
窪や志野など、二部、三部のボスとなる人物もかなり序盤から名前が登場していたり、二部の最後の窪との対決シーンを二部の初めにもってきたりと、行き当たりばったりではなく、だいぶ原作を先まで練った状態で連載をしていた印象です。
一方で原作の綿密さとは裏腹に、哲雄の行動はその場その場での綱渡りの連続なので、作品としての安定感と登場人物の不安定さが面白いです。
朝基まさしのようなベテラン漫画家の作品には珍しく、1巻からの絵柄の変化が激しかった気がする。
巻数を重ねるごとに『サイコメトラー』などの普段の絵柄に近づいている感じ。
掲載誌が青年誌で、原作がいつもと違う山川直輝だったのと、主人公や登場人物が普段の作品よりも年齢層が高めなのもあって、序盤は意識的にリアルに描いていたのかもしれませんね。
今だけ3巻まで無料(7/18まで)
安童夕馬(樹林伸)と離れている間に恐ろしいタッグが誕生!
あとがき
あなたがランキング1位に選ぶおすすめ作品はどの漫画ですか?
完全に安童夕馬とのタッグのイメージの漫画家だったけど、ランキングは『マイホームヒーロー』が1位に。読み直すとまた変わるかもしれないけど。
正直、最初の頃は藤沢とおるに似た絵の漫画家だな~くらいの印象だったけど、ここまでヒットメーカーになるとは驚き。
絵の上手さはもちろんだけど、原作の良さを殺さずに、より面白くする能力が高いと思う。
マイホームヒーロー終わったらサイコメトラー再開するかな?
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