井上和郎(いのうえかずろう)の作品といえば斬新な設定のラブストーリー。
普通の漫画家では考えつかないような発想や設定のラブコメ作品が魅力。
かといってぶっ飛んだ設定に負けることなく、高いテンションで繰り広げられるドタバタギャグは読みすすめるほどに面白くなる。
通常のギャグ回と、たまに入るシリアス回とのギャップもうまい。
今回は新しい切り口からラブコメを描く漫画家「井上和郎」のおすすめ作品ランキング!
3位 アンデッド
作品解説
主人公の峰田はむかし好きだった古池と同窓会で出会って付き合うことになったのだが
はじめてのデートの日に古池が死んだと耳にして悲しみに暮れる。
しかし古池は黄泉がえり峰田の前に現れた・・・
ドタバタコメディーを得意とする井上和郎が珍しく重いテーマで描く作品。
感想・レビュー
正直この漫画を読んでちょっと面食らった。
だって井上和郎といえばなんといっても美少女と主人公のドタバタコメディー。まさか、死んだ彼女が蘇ってアンデッドになるという、ちょっと重い暗いテーマを主題にして漫画を書くとは思わなかった。
でも読んでみたら途中から結局ドタバタコメディーが始まって、やっぱり井上和郎作品でした。
正直コメディーなのか、黄泉がえりという重いテーマを描くのか、どっちつかずでちょい中途半端さは感じた。
2位 あいこら LOVE&COLLAGE(アイコラ ラブアンドコラージュ)
作品解説
主人公の「前田ハチベエ」がヒロイン(達)に一目ぼれ、女子寮の女性たちに惚れる、よくある話と思いきや。
ハチベエが惚れていたのは女の子のパーツだけだった。
女子寮の女性たちの目、胸、声、足などそれぞれの違うヒロインの各パーツに惚れると言う普通ではなかなかお目にかかれない作品。
パーツしか愛せない男ハチベエと女子寮の住人たちとのラブコメディ!
感想・レビュー
サンデー版ラブひな。
でもただのパクリ漫画と思ったら大間違い。前作で右手を恋人にした井上和郎だけに、そんじょそこらのラブコメ漫画家とはひと味もふた味も違う作品になってます。
腋フェチ、胸フェチ、尻フェチ。
フェチにもいろいろあるけれど、主人公のハチベエはフェチすら飛び越えて、パーツ愛!
パーツだけを愛し、好みのパーツだけを見ていたいという、類まれなる変態。だれが共感できるんだよ(笑)
ヒロインたちは主人公に少しずつ惹かれていくのに、主人公はそっちのけでパーツの虜。あぁ、なんてもどかしい!
基本は1話完結型でそれぞれのヒロインにローテーションでスポットがあたっていきます。長編シリーズがほとんどないっていうのも珍しい。
オタク系ではなく、主人公が強くて明るいっていうのも珍しいパターンかな。
ラブひなと比べられてましたが、赤松健と比べると井上和郎の方がだいぶギャグ漫画よりです。
結局はメインヒロインとくっつく。っていうのはハーレムもののお約束でわかってはいるんだけど、サブヒロインたちにはもう少し頑張ってほしかった。
天幕意外のヒロインが弱くてもう少しライバルとして活躍して欲しかった。(ラブひなでいう素子やしのぶが不在)
ハッピーエンドなんだけど、終盤の展開が急だった気がする。打ち切りだったのかな?
1位 美鳥の日々(みどりのひび)
作品解説
とにかく未だかつて見たことがない青春ラブコメ物語。
ずばり、ある日突然片思いしていた女の子が主人公の右手に現れるのだ!
喧嘩っ早いセイジと、ピュアな美鳥の純愛物語である。
右手が恋人の恋愛マンガ
感想・レビュー
この作品は右手が恋人の作品。笑
よく彼女がいない男に使われる表現だけど、文字通り右手が女の子に!
まさに変態の極みだ!
サンデーで連載していた頃、毎週毎週楽しみにしていたこの作品。
とにかく斬新すぎるストーリー。テンポが良くてくすっとくる。
個人的に美鳥の可愛さにメロメロ。
正統派、純粋、頑張り屋、あ~こんな子が自分の右手にいて欲しい...!
とは思わないな。不便過ぎるわw
物語の後半は、右手のままでいいのか悩む美鳥の姿に思わず…。
あとがき
紙からデジタル作画への変更などの要因もあるだろうけど、漫画家人生が長くなるにつれて、絵柄が変わっていってしまう漫画家さんが多いなか、井上和郎の作画はいつ見ても変わらなくてうれしい。
もちろんデビュー当時と比べると違うんだけど、絵のタッチは変わらずに上手く読みやすくなっている感じ。
ちなみに井上和郎は藤田和日郎の元チーフアシスタントで、同期は雷句誠。
藤田組、優秀すぎる。