宮尾行巳(みやおいくみ)はイブニングから『五佰年BOX』でデビューした女性漫画家。
歴史探訪が趣味で、和洋中問わず歴史好きということもあって、歴史要素を絡めた作品が魅力。
今回は宮尾行巳作品を紹介します。
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五佰年BOX(いほとせボックス)
あらすじ・作品解説
漫画家、宮尾行巳による青年漫画。
主人公の遠野叶多(とおのかなた)は、幼なじみの家で不思議な木箱を見つける。タイトルの五百年BOXの名の通り、その木箱の中には500年前の中世日本の世界が広がっていた。
箱の中の出来事に干渉した代償として、幼馴染の真奈の存在が消えてしまう事態に陥ってしまう。
叶多は現代と箱の中の世界の謎を解き明かし真奈を取り戻すことは出来るのか。
現代と過去を結ぶ独特の設定と心理的な葛藤が特徴的な一風変わったタイムトラベル作品。
ただのタイムスリップものとは一線を画す、独創的な世界観が魅力的な作品です。
ミニチュアと五百年前の世界が繋がってるという発想がすばらしい。箱庭内では500年前の人たちが生きていて、それに干渉することで現在が改変されていく。
箱庭の中に別の世界が広がっているというのはSF的な設定として藤子不二雄の短編などにもあるけれど、箱庭から見える世界が過去に繋がっているという発想に脱帽。さらにタイムパラドックスの要素が加わることで、一層面白い作品になっています。
箱庭の中のタイムトラベル
『五佰年BOX』の中心となるのは、神の視点で住人たちを見守ることができる不思議な箱庭です。
よくあるタイムトラベルものと違い、どちらかというと『ポピュラス』や『シムシティ』『シムズ』などのストラテジーゲームをプレイしているような感覚に近い。
覗いている世界で干渉した出来事が、すぐにその場でバタフライ効果として現れるのが不思議で面白い。
タイムパラドックスと人間ドラマ
この作品は、過去を変えてしまった結果、予期せず改変してしまった過去を戻すために主人公が翻弄される様子を描いています。
真奈を消してしまったことで、代わりに現れた真樹など、いつしか改変後のキャラクターにも情を抱いてしまい、思い悩む様子も見どころです。
こんな人におすすめ
ありがちな設定と思いきや発想がすばらしい。タイムスリップにしろ、タイムトラベルにしろ単体ではありきたりなのに、箱庭という設定が加わることで唯一無二のユニークな作品になっています。
終わり方がとにかく残念だけど、それでもやぱっり面白い。短い巻数の中で素晴らしい完成度です。
ただのタイムスリップものに飽きた方にもおすすめ。4巻の時点でも間違いなく面白いのに、この作品が打ち切りというのはホントに不思議。
設定がとにかく素晴らしい作品だったので、漫画家キャリアを積んだ後で、セルフリメイクして欲しいくらい。『仁』のような完成度でこの作品を読んでみたい。
ドラマ化や映画化しても面白いと思うんだけどなあ。
途中から、ちょっと話が難解になってしまったのが残念。パラレルワールド設定はいらなかったような気がする。
最終回の展開を視る限り打ち切りだったんでしょうね。
ラストに出てきた和尚は誰なのか?血を流して倒れていた真樹はどこへ行ったのか?
4.5巻のおかげでだいぶスッキリしたものの、欲を言えばあと、1.2巻欲しかった。
ちなみに、電子書籍で購入可能な4.5巻のスペシャルエピソードは作品ファンなら必読の内容ですよ。短いエピソードではありますが、最終回のわかりづらさを補足してくれる番外編になっています。
あとがき
宮尾行巳の漫画であなたのおすすめはどの作品ですか?
合法的に漫画を安く・無料で読む方法!
とにかくたくさんの漫画を読みたい方のために、70~90%OFFで購入する方法や、無料で読める作品など、漫画を安く読む方法を紹介しているのでチェックしてみてください。