ジャンルに縛られない異才!外薗昌也のおすすめ漫画作品ランキング【ホラーもSFも恋愛も】

外薗昌也

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ホラーもSFも、時には恋愛まで描いてしまう漫画家といえば、外薗昌也(ほかぞのまさや)です。

正直に言うと、読む前に少し構えてしまうタイプの作家かもしれません。でも読み終えるころには、「あ、これ忘れられないやつだ」と思わされる。そんな作品が多いんですよね。

外薗昌也の漫画は、ホラーやサスペンスを軸にしながら、SFやファンタジー、人間ドラマまで自然に広がっていきます。グロテスクな描写が話題になりがちですが、物語の芯はかなり丁寧。ただ怖いだけじゃなく、人がどう壊れていくのかを静かに見せてくる作風が印象的です。

展開のテンポがよく、何か起きそうな空気づくりがとにかく上手いんですよね。派手な演出で押すというより、会話や間で不安を積み上げていくタイプ。

たとえば犬神では、異形の存在と少年の関係を通して、重くてあたたかい物語が描かれます。鬼畜島では一転して、無人島で人の理性が壊れていくサバイバルが容赦なく展開。エマージングでは、ウイルスという題材で現実と地続きの怖さを突きつけてきます。

強烈で、気持ち悪くて、それでもなぜか忘れられない。そんな後味まで含めて心に残る漫画を描く異才・外薗昌也のおすすめ作品を、ランキング形式で紹介します。

2位 鬼畜島(きちくじま)

あらすじ・作品解説
漫画家・外薗昌也によるホラーサバイバル漫画『鬼畜島』は、海に囲まれた孤島を舞台に、若者たちが常識や倫理の通じない環境へ踏み込んでいく過程を描いた作品である。楽観的な空気の裏で島は外界から隔絶された不穏さを帯び、逃げ場のない状況が疑心暗鬼や人間関係の分断を加速させていく。閉鎖空間を生かした構成は心理的圧迫を強め、流血表現以上に人の理性が揺らぐ瞬間を際立たせる点が特徴である。単行本は完結済みで続編も展開され、過激さの中に物語性を重ねる作風から、外薗昌也の作品群を理解する上で重要な位置を占める一作として語られている。

彼岸島フォロワーかと思いきや、思った以上に狂ってた島ホラー

おすすめポイント・感想・レビュー
正直に言うと、島サバイバルものが一気に増えた時期に、流れで手に取った作品でした。

最初はよくある無人島ホラーかなと思っていたんですが、読み進めるほどに方向性がズレていくのが逆にクセになるんですよね。

完成度で言えば粗は多いんだけどそれでも最後まで読まされる引力があって、刺さる人には妙に深く刺さるタイプの漫画です。

閉鎖空間ホラー
無人島という逃げ場のない舞台設定が、とにかく強いです。

仲間内で疑心暗鬼が広がり、判断ミスが連鎖していく流れは、序盤に限って言えばかなり正統派のサバイバルホラー。

グロさもありますが、それ以上に人間関係が崩れていく過程が怖い。

先が読めない展開
最初はエグくてグロい正統派スプラッターだと思って読んでいました。

ところが中盤以降、雰囲気が一気に変わって別ジャンルみたいな顔をし始めます。

サバイバルホラーを期待し続けると、後半は確実に置いていかれること間違いなし。笑

サバイバル、宗教、超常現象まで方向転換が激しい!

こんな人におすすめ
グロ耐性があって、混沌やB級ホラーノリを楽しめる人にはおすすめ。

カオスな展開を笑って受け止められる人なら楽しめるはず。

逆に、感情移入重視の人にはあまり向かないかも。

元々、感情移入できるキャラがほとんどいない作品ですが、異常者だらけの中で、唯一の常識人であるはずの主人公が、から化け物側につく展開には驚きしかありませんでした。

そこから先は完全にカオスです。笑

手に汗握るスプラッタホラーだったはずが、途中からみんな全然死なないし。

なによりもマリが正ヒロイン枠に収まるとは読み始めたときの自分には予想もできませんでしたよ。

そして最終回、打ち切りエンドの一部完かと思ったら、そのまま二部へ続くというw

え、そっち行く?の連続w

類似作品 こちらもオススメ!

閉鎖された島でのサバイバルを描いた『彼岸島』(松本光司)。感染拡大と集団崩壊を描く『インフェクション』(及川徹)。狂気とバイオレンスを突き詰めた『サタノファニ』(山田恵庸)。ホラーやサスペンスだったはずが、途中からギャグなのかと思えるほど大きくテイストが変わった作品としてこの3作品は近いかもしれません。

1位 犬神(いぬがみ)

あらすじ
『犬神』は、内気な高校生・島崎史樹が、廃工場で「23」の刻印を持つ巨大な犬と出会うことから始まるダークファンタジーである。

人の言葉を理解し、不思議な力を秘めた23と少しずつ心を通わせる史樹だったが、その出会いをきっかけに、存在を狙う者たちとの戦いや、人類の歴史、生命の秘密に関わる壮大な事件へ巻き込まれていく。

ホラー、伝奇、SF、オカルトの要素を融合させながら、人間とは何か、生きるとは何かという普遍的なテーマを描き、少年と異形の存在が育む絆を軸に物語が大きく広がっていく作品である。

作品解説
『犬神』は、漫画家・外薗昌也によるSFやサスペンスの要素も取り入れた、ホラー・伝奇作品。

少年と異形の犬の出会いから始まる物語が、巻を追うごとに世界規模へと発展していくスケール感や、生命の進化、人間の存在意義を掘り下げる重厚なテーマが大きな魅力。

『月刊アフタヌーン』で連載され、全14巻で完結。文庫版や、新装版やエピソードを再構成した完全版も刊行されているが、テレビアニメ化や実写映画化は行われていない。

緊張感あふれる展開と先の読めないストーリーも高く評価され、外薗昌也作品の中でも、多彩なジャンルを高い完成度で融合させた長編作品として語られる。

人間とは何かを問いかける異色のホラーファンタジー

おすすめポイント・感想・レビュー
正直、この作品を一言で説明するのはかなり難しいです。

物語は子どもから大人への成長と、人間と犬との友情を軸に描かれていきます。

最初はミステリーサスペンスの雰囲気ですが、物語が進むにつれてSFや伝奇・神話、生命論、さらには哲学まで自然につながっていきます。

ジャンル分けできない面白さこそ、この作品最大の魅力でした。外薗昌也作品の中でも、特にスケールの大きい長編だと思います。

謎を呼ぶ序盤の展開
序盤は本当に引き込まれました。怪事件が起こり、史樹は23という不思議な犬と出会う。

そして「犬神とは何なのか」「23は何者なのか」と謎が次々に増えていく。このワクワク感が本当にたまりません。

情報を一気に説明するのではなく、小出しに真相へ近づけていく構成がとても上手いんですよね。

怪奇ミステリーが好きな人なら、この導入だけでかなり引き込まれると思います。

一匹の犬との友情が最後まで物語を支える
この作品には複数の犬神が登場しますが、やっぱり23は特別です。

賢いし、強いし、ちゃんと可愛い。そして史樹と一緒にいるときは本当に優しい。

レビューでも「23が一番印象に残った」という声が多かったんですが、それも納得です。

後半は世界を巻き込む大きな物語に変化していきますが、作品の中心にあるのは、史樹と23の関係でした。

だから重たいテーマでも最後まで読めたんだと思います。

ホラーだけでは終わらない壮大なSF
物語は怪物との戦いだけでは終わりません。

最初は人が次々と襲われるホラーっぽい始まりなんですが、読み進めるほど「え、そこまで広がるの!?」という展開になっていきます。

生命の起源、人類の歴史、犬神伝承、常世国…。気づけば怪物との戦いどころじゃありません。

さらに、環境問題や命の価値、人間の欲望など、考えさせられるテーマも数多く盛り込まれていました。

ただ、そのぶん終盤はかなり思想的な展開になるので、「序盤のホラー路線が好きだった」という人は少し戸惑うかもしれません。

こんな人におすすめ
犬が活躍する漫画が好きな人なら、23が本当に魅力的なので、それだけでも読む価値があります。

あとは『寄生獣』のように、「生命とは何か」「人間とは何か」をテーマにした作品が好きな人にもおすすめ。

逆に、グロ描写が苦手な人はちょっと注意ですね。人や動物の残酷な描写が多く、苦手な人にはかなりハードルが高いかも。

終盤は賛否が分かれる展開
個人的には、8との戦いあたりまでは本当に夢中で読んでいました。

23と史樹の絆もどんどん深くなって、「これ名作じゃん」と思いながら読んでいたんです。

ただ、終盤は一気に話が大きくなって、少し置いていかれる感覚もありました。

まさか史樹が生命の樹と同化して、人間をやめるところまでいくとは思いませんでした(笑)。

世界規模まで話が広がるのは嫌いじゃないんですが、史樹がそこまで重要人物だった理由は最後まであまりピンと来ず、「もう少しここを描いてほしかったな」と感じる部分もありました。

切ないけど、この終わり方も嫌いじゃない
終盤は「現実の世界に残るか、常世国を望むか」「子どものままでいるか、それとも大人になるか」という選択が描かれます。

だからこそ、大人になることを選んだ美伽が、ずっと一緒にいた史樹と別れることになった結末は切なかったですね。

ラストはかなり好みが分かれると思いますし、残された謎も少なくありません。

それでも、最後まで物語の軸が23と史樹の絆だったからこそ、一匹の犬と一人の少年の物語として心に残る作品でした。

正直、10年後に史樹と23が目を覚ますようなベタなエピローグもちょっと期待していました(笑)。

好き嫌い分かれる作品だけど、好きな人はとことんハマる作品。

類似作品 こちらもオススメ!

『犬神』を読んで、設定が似ているなとまっさきに思い浮かべるのが、『寄生獣』(岩明均)でしょう。生命とは何か、人間とは何かを描く作品が好きなら、まず外せない作品。

もっと重厚なSFを読みたいなら、『EDEN It’s an Endless World!』(遠藤浩輝)もおすすめです。生命や文明、人類そのものを描くスケールの大きさは、『犬神』が好きな人なら刺さるはず。

個人的に終盤のカオスさと「どこまで話が広がるんだ」という感覚は『ファイアパンチ』(藤本タツキ)を思い出しました。

あとがき

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今回あらためて振り返ってみて、外薗昌也という作家はやっぱり一筋縄ではいかないなと感じました。

犬神が代表作扱いされがちなのはわかるんですけど、正直それだけで終わらせるのは惜しい。

エマージングの現実に刺さる怖さもあるし、鬼畜島みたいに振り切った狂気もある。

どれも方向性は違うのに、読後に残る感じはちゃんと外薗作品なんですよね。怖いのに、あとから妙に思い返してしまう。この後味こそが一番の魅力かもしれません。

外薗昌也をまだ読んだことがないなら、まずはエマージングを手に取ってみてください。3巻完結と短いので、合う合わないが判断しやすいと思います。

これからもホラーに限らず、また意外なジャンルを見せてくれるかもしれません。

あの独特の外薗節はそのままで、長く作品を描き続けてくれたら嬉しいですね。

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