原哲夫(はらてつお)の作品は力強い劇画チックな絵が持ち味。劇画作品の代表的漫画家。
おすすめ作品は数あれど、どの作品も男らしさに溢れている。一本芯通った漢から小悪党まで非常に幅広い。劇画だからこその男らしさが最大の魅力。
逆に女性キャラは可愛らしさよりも色気のほうが際立っている。劇画ゆえに萌えよりも色気のほうが合っているのだ。美少女というより美人が多いのが特徴。
今回はそんな原哲夫の引かぬ!媚びぬ!省みぬ!!おすすめ作品ランキング!
6位 猛き龍星
(作品解説)
「花藤龍星」がかつての不良仲間の元に戻り、仲間を裏切りやくざとつるむようになった元の仲間と100対1を超える状況の中で戦わずして勝ち、元の仲間の心も救う。
その後はジョーカーと呼ばれるおちこぼれていった日本人のために香港に都市を作る事業に打ち込む姿に心打たれ、ジョーカーを越えるものになろうとしていく。
(感想)
現代版男一匹ガキ大将のふれこみで始まったマンガ。
一話目の、度胸だけで圧倒的な数の差をものともせず、戦わずして勝つ主人公龍星の姿はまさに男一匹ガキ大将の戸川万吉の姿を現代に蘇らせたものだった。
その後もやくざと不良の戦いなど、原哲夫による迫力ある描写が続く。
日本を舞台にしていた期間がわりと短く、単行本全3巻の半分くらいは香港が舞台だった。
5位 いくさの子 織田三郎信長伝
(作品解説)
天下の英雄、織田信長の生涯を作画:原哲夫、原作:北原星望のコンビで描いた痛快戦国漫画。
あまり描かれない幼少期を描いていて、過去の織田信長を描いた数々の漫画と一線を画す内容。
(感想)
やはり原哲夫の画力は素晴らしい!
主役はもちろん脇を固めるサブキャラ達もキャラが立っていて、感情移入しやすいのが原作品の特徴。
花の慶次同様に、戦国の歴史(日本史)に興味の無い人でも楽しめる内容。(逆に正統派歴史漫画が好きな人には合わないか)
信秀が亡くなる場面で胸が熱くなった。
4位 蒼天の拳
(作品解説)
かつて少年ジャンプで連載されていた大人気アクションコミックである北斗の拳の過去の時代を描いた作品。
主人公はケンシロウの2代前の伝承者「霞拳志郎」。
前作の北斗の拳よりも派手さを抑えて人間ドラマを魅せることを重視した少し大人な雰囲気のマンガ。
(感想)
北斗の拳の続編(過去)といっても、世界観はだいぶ違う。
世紀末ではないので、過激なアクションや、「ヒャッハー!」と叫びながら種もみを奪うモヒカンも登場しない。
主人公の性格もだいぶ違う。
ジョジョで言えば承太郎とジョセフぐらい違う。
北斗の拳と比べてしまってちょっと地味な漫画のように感じるけど、ちゃんと前作からのお約束である「お前はもう死んでいる」の決め台詞は健在。まあ今作の場合は舞台が上海だから、日本語じゃなくて中国語で「ニイイチンスラ」なんだけどw
で、今回の主役の拳志郎はいっつも咥えタバコをしててなんともワルな雰囲気なんだけど、ちゃんと友との友情とかには熱いし、やっぱり強くて魅力のある男。
ランキング的には北斗の拳には及ばず。とはいえ、前作よりは派手さはないけど、そのぶんいろんな人間ドラマが詰まってて、北斗の拳とはまた違った面白さがある作品。
3位 影武者徳川家康
(作品解説)
隆慶一郎の時代小説が原作。
当初は原作通りに徳川家康の「影武者」が主人公で週刊少年ジャンプで連載していたが、漫画ではアクションシーンを担当する島左近や甲斐の六郎のほうが主人公にふさわしいという判断か、打ち切りに近い終わり方をして、「SAKON」でリメイクされた。
(感想)
「影武者」と言えば黒沢明の映画を思い浮かべる方が多いと思うけど、この作品のユニークなところは本物が関ヶ原で亡くなってしまい、その後の家康を15年にわたって「影武者」が演じつづけるところ。
目の上のたんこぶであった家康が亡くなり、自身の権力を確保しようとする跡継ぎ徳川秀忠とのその側近柳生宗矩に対抗するため、「影武者」がどのようにして己の身を守っていくのか、一度読めば最後まで読みたくなる作品。
2位 北斗の拳
(作品解説)
漫画家「原哲夫」を一躍有名にした作品。
北斗神拳一子相伝者のケンシロウが主人公の漫画で、ハリウッド映画マッドマックスに影響を受けている。
世紀末の世界観をモチーフにしているため、残虐な描写も多いのが特徴。
(感想)
北斗の拳は登場する男キャラの生き様に心打たれる。主要な敵キャラにも信念があるのが魅力的。生き様だけでなく死に様もかっこいい。
一番印象に残っているのはラオウのシーン。
ラオウの死に様は漫画史に残る名シーン。
敵にしておくにはもったいない。それぐらい魅力的なキャラ。ラスボスはカイオウだったけど、魅力はラオウのほうが圧倒的に上。
技と体はカイオウが上かもしれない。しかし心は間違いなくラオウの圧勝です。カイオウにはラオウほどの魅力がありません。
正直ラスボスにしては物足りない。因縁のある敵がラオウだったから、カイオウに対して物足りなさを感じるのかもしれないな。
ラオウで終わってれば最高だったとよく言われるけど、ストーリーの順番違えばカイオウ編ももっと面白くなったかな?本音を言えばラオウとカイオウの一騎打ちも見たかった。
1位 花の慶次 ―雲のかなたに―
(作品解説)隆慶一郎の歴史小説「一夢庵風流記」を原作にした、実在の戦国武将である「前田慶次」の自由奔放で豪快な生き様を描いた作品。
主人公の前田慶次のみならず、周りをとりまく数々の戦国武将たちもかなり熱く描かれていて、原作の小説には無い漫画オリジナルのキャラクターやエピソードも追加されている。
(感想)
この漫画はとにもかくにも前田慶次の痛快な生き様。
いちいちカッコ良すぎてシビれる!
この作品がなければ「前田慶次」という武将が、ここまで名前を知られることはなかっただろう。この漫画で好きになったという人もかなりいるんじゃないかな。
それほどまでにこの漫画の慶次は魅力あふれる漢として描かれてる。
それに加えて慶次の愛馬である「松風」とか、家来の忍者たち、直江兼続や真田幸村などの戦国武将もそれぞれ個性的な魅力があって、歴史好きな人じゃなくても楽しめる良作。
北斗の拳の方が一般的にはランキング高いだろうけど、個人的にはこっちの方が好き。おすすめ。
原哲夫バージョンで戦国無双やってみたいわ。
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