『平成義民伝説 代表人』の感想・レビュー|忘れられないインパクト!伝説の打ち切り問題作【木多康昭】

平成義民伝説 代表人

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『平成義民伝説 代表人(へいせいぎみんでんせつ だいひょうびと)』は、『幕張』『泣くようぐいす』など、危険なギャグ漫画を世に送り出してきた漫画家「木多康昭(きたやすあき)」が送るギャグ漫画第三弾。

『泣くようぐいす』の壮絶な打ち切りから約1年。

再び『週刊少年マガジン』から連載のチャンスをもらった木多康昭の新作は…まさかの今までとは比べ物にならない危険度w

危険なパロディを次々と繰り出し、ストーリーまでどんどん暴走。面白かったかと聞かれると困るのに、なぜか忘れられない。

果たして、これを単独レビューする意味はあるのか!?ヒヤヒヤする危険なパロディ漫画『代表人』を紹介します!

あらすじ

『平成義民伝説 代表人』は、国民的アイドルグループ「IGARASHI」を脱退し、宇宙飛行士になる夢を選んだ青年・米良勝男を主人公に描くギャグ漫画である。

新しい夢を追いかける米良だったが、アイドルを辞めたことで恋人と別れることになってしまう。さらに日本初のスペースシャトル搭乗者に、IGARASHIが選ばれたことを知るのだった。

自らの人生を奪われたと絶望した米良は、そのスペースシャトルをハイジャック。

果たしてシャトルの運命は!?IGARASHIは助け出せるのか!?というか、本当に主人公のやることかこれ!?

作品解説

『平成義民伝説 代表人』は、漫画家・木多康昭によるギャグ漫画作品。

連載が進むにつれてストーリーはどんどん破綻。実在の芸能人を思わせるキャラクターや時事ネタ、他誌の漫画家や編集部まで笑いの標的にするなど、危険なパロディはさらに加速していった。

『週刊少年マガジン』で連載され、全2巻で完結。わずか12話で終了したことまで含めて強烈な印象を残す作品である。

伝説の打ち切り問題作!

おすすめポイント・感想・レビュー

あらすじと作品紹介まとめるだけで、もう自分で何書いてるのかわからなくなった。っていうかあらすじなんてないし。笑

そもそも米良が主人公だったはずなのに、途中から誰が主人公なのかもよく分からない。

ストーリーは破綻してるし、作品として面白いのかと聞かれたら、もちろん面白くはないです(笑)。

でも、連載が始まったときのインパクトはすごかった!

次は何をやらかすんだろうというワクワク感というか、怖いもの見たさというか。何を読まされたのかよく分からないのに、20年以上経っても覚えているんだから大した漫画です。

1話から「本当にこれ掲載して大丈夫?」の連続!

まず国民的アイドルグループ「IGARASHI」。

名前は嵐っぽいのに、メンバーはどう見てもSMAPとそっくり。もうこの時点でアウト。隠す気がない。米良は明らかに森くんだし。

ジャニーズ(当時)とディズニーはいじっちゃだめだって子どもでも知ってるよ。笑

しかも、そこで止まらないのが木多康昭。芸能人から有名キャラクターまで、「そこ触る?」というところへ平気で突っ込んでいきます。

読んでいるこっちが「先生、それ以上はやめとこう!」と言いたくなる。授業参観で危なっかしい我が子を見守る母親みたいな気分ですよ。

『泣くようぐいす』の壮絶な終わり方から何かを学んだのかと思ったら、全然懲りてない(笑)。

ブレーキの壊れた「漫画家の暴走」を見届けろ!

もともと危険なネタを平気でぶっ込んでくる木多康昭ですが、『代表人』に関しては、果たして攻めすぎたのか、それとも攻めざるを得なくなったのか。

当初は、米良を止めるために、各都道府県を代表する「代表人」が集まる物語として構想されていたらしいのですが、もはや確かめる術もない。笑

というのも、連載開始早々から編集部で修正が入り、掲載できないネタが続出。路線変更を余儀なくされます。途中には1話分が丸ごとカットされ、前号の引きからまったく話がつながらないなんてことまで起こります。

その結果、わずか数話で本来のストーリーは破綻。こうなると、もうネタで攻めるしかなかったのかもしれません。

山寺宏一にそっくりなサトラレ、ホタル源氏の星川、イブニング娘。の小牧など、元ネタを隠す気ゼロのキャラクターが次々登場。藤沢とおるなど漫画家までネタにし始め、もう誰が標的になるのか分かりません。

もともと『幕張』の頃から漫画家や編集者までネタにする作風でしたが、本作ではさらにエスカレート。

ストーリーが破綻した結果、木多康昭史上、最も危険なギャグ漫画が出来上がってしまった。

もはや物語を読んでいるというより、ブレーキの壊れた漫画家がどこまで行くのかを見届けている感覚です。

全2巻で打ち切り!投げっぱなしのラストまで木多康昭らしい

そんな状態のまま、主人公も誰だか分からなくなり、途中からなぜかバトル路線へ。結果は……わずか12話で終了。

普通なら「もっと読みたかった!」となるところですが、本作に関しては不思議とそうならないんですよね。むしろ、この漫画がそのまま5巻、10巻と続いていく未来の方が想像できません。

いや、もう仕切り直すしかないよなぁ(笑)。

終わり方まで含めて木多康昭らしい、良くも悪くも伝説の作品です。

こんな人におすすめ

残念ながら、とてもおすすめできる作品じゃないんだな、これが。

単行本化されずに封印されてもおかしくない一作。単行本になったことだけでも喜ぶべきだろう。

木多康昭の危険な作品が好きでしょうがないという人なら、ぜひ手にとって読んでみてください。

この衝撃は、口で説明するより実際に読んでもらった方が早い。もちろん、おすすめはしません(笑)。

最後は全部なかったことに!?
そして迎えた最終話。

散々暴れ回った末、最後はまさかの「今までの話はなかったこと」に。

物語をきれいに畳むどころか、ストーリーの途中で突然裁判所に向かい、訴えられた木多康昭が法廷に立ち、無実を主張するという謎の展開に。

最終的に全部ぶん投げて作者の悲痛な叫び?で締めくくられました。

いや、『泣くようぐいす』の夢オチと変わんねえじゃねえか!

皆さまは覚えているだろうか!!? 昔 IGARASHIが 6人組だったことを!!

類似作品 こちらもオススメ!

芸能人や時事ネタ、漫画業界まで笑いの材料にするところは『かってに改蔵』『さよなら絶望先生』(久米田康治)と似ていますね。久米田康治作品の方がもっと風刺の効いたギャグですが、なによりあちらはちゃんとブレーキが付いています(笑)。

打ち切り最終回のインパクトという意味では、『武士沢レシーブ』(うすた京介)かな?これ『泣くようぐいす』のときもあげたな。

あとがき

改めて振り返ってみても、何だったんでしょうね、この漫画(笑)。

でも、この『代表人』を経て『喧嘩商売』へたどり着いたと考えると、木多康昭の作品を追ううえでは意外と重要な一作なのかもしれません。

名作かと聞かれたら違う。おすすめかと聞かれても違う。でも忘れられない。まあ、そういう漫画が一冊くらいあってもいいでしょう(笑)。

言葉では伝えづらい作品なので、なにはともあれ気になったら四の五の言わずに読んでほしいのですが、新品で手に入れるのはもはや絶望的なんですよね。

比較的まともな『泣くようぐいす』ですら電子書籍化されていない状況では、『代表人』の電子化はさらに厳しいか?

そしてついに、少年マガジンも木多康昭の放流を決めたのだった。

木多康昭のおすすめ漫画作品ランキングもチェック!

『平成義民伝説 代表人』だけ読むと「木多康昭って何なんだ?」で終わってしまうので、ほかの作品もぜひ。

ギャグ漫画から格闘漫画まで、作品によってかなり違った顔を見せてくれる漫画家です。個人的に面白かった作品をランキング形式で紹介しているので参考にしてみてください。

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