『異世界行っても少年マンガの主人公は1ミリもブレない!!!』の感想・レビュー|最強ヤンキーが異世界転生【梅澤春人】

異世界行っても少年マンガの主人公は1ミリもブレない!!!

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『異世界行っても少年マンガの主人公は1ミリもブレない!!!』は、『BOY』や『カウンタック』で知られる漫画家・梅澤春人(うめざわはると)が描いた異世界ファンタジー作品です。

最強の不良を目指す高校生・酒谷鉄丸が異世界へ飛ばされるという、今どきらしい異世界転生もの。…なんですが、中身はかなり梅澤春人らしい少年マンガ。

ヤンキー、友情、正面突破。

ページを開けばそこにいるのは完全に梅澤春人作品の主人公です。時代に合わせる気があるのか、ないのか。笑

今回は、そんな『ミリブレ』の魅力や惜しかった点、過去作品とのつながりまで含めて紹介していきます。

あらすじ

「最強の不良(ザ・キング・オブ・ヤンキー)」を目指し、ケンカに明け暮れる高校生・酒谷鉄丸。転校初日に出会った天野恵が描いた少女の絵に一目惚れした鉄丸は、恵と意気投合するが、二人は思わぬ事故によって命を落としてしまう。

やがて鉄丸たちが目を覚ましたのは、魔法や異形の者が存在する異世界だった。

しかし、剣と魔法が支配する世界で、常識も価値観も通じない状況に置かれても、鉄丸は一切迷わない。仲間がやられれば助けに行き、理不尽な敵が立ちはだかれば真正面から殴りに行く。その行動原理は、「少年マンガの主人公ならどうあるべきか」、ただそれだけ。

腕っぷしと気合い、曲げることのない信念を武器に、少年マンガの主人公らしく異世界を突き進んでいく物語である。

作品解説

『異世界行っても少年マンガの主人公は1ミリもブレない!!!』は、漫画家・梅澤春人が描く異世界ファンタジー×不良アクション漫画。

設定は王道ファンタジーだが、物語の中心にあるのはスキルや効率ではなく、異世界作品の文法を踏まえた上で、あえて少年マンガ的王道を崩さない点が特徴。

異世界転生という定番ジャンルを土台に、「少年マンガの主人公とはどうあるべきか」という主人公像そのものを主題として描いており、梅澤春人の思想や作劇姿勢が色濃く反映された漫画作品として語られている。

Web漫画サイト「コミックNewtype」で連載され、全3巻で完結。物語が過去作品『SWORD BREAKER』とつながっていることも話題となった。

なろう世界に放り込まれても、やっぱりいつもの梅澤漫画

おすすめポイント・感想・レビュー

今度の梅澤作品はまさかの異世界転生もの!?

と思いきや、流行ジャンルに寄せたように見せかけて、実際は一切寄せていない。笑

よくあるスキルだの、ステータスだのという定番要素は一切なく、まず殴る、助ける、立ち向かう。最初から最後まで一貫して少年マンガの魂を優先しています。

大人向けではない、少年漫画時代の梅澤作品を求めていた読者にはしっかり刺さる作品になっています。

タイトル通りのミリブレ主人公

主人公は異世界に行っても価値観も行動原理も一切変わりません。

状況がどうあれ、筋を通す、仲間を守る、強い相手にも正面から行く。

もしも少年漫画の主人公が異世界に転移したらというコンセプト(正確には梅澤漫画の主人公がかな?)なので、舞台が変わってももちろん一ミリもブレません。笑

過去作品で例えるなら『BOY』+『SWORD BREAKER』といった感じ。

梅澤春人節全開のネーミングと世界観

ネーミングや世界観は、もう完全に梅澤春人です。

モンスター名や設定の濃さは相変わらずで、少年マンガの骨組みがそのまま異世界に持ち込まれています。

友情、覚悟、正面突破。どれも王道だけど、ちゃんと熱い。細かい理屈よりも勢いで楽しめます。

異世界ものとしての新鮮味は控えめ

正直に言うと、異世界転生作品としての目新しさは控えめです。

設定も展開も、今どきの異世界作品を期待すると肩透かしに感じるかもしれません。

レトロな作風や価値観が全面に出ているので、梅澤漫画としては魅力的ですが、合わない人は合わないと思います。

こんな人におすすめ

少年ジャンプ連載時代の梅澤作品を思い起こさせる主人公なので、『BOY』や『SWORD BREAKER』が好きだった90年代ジャンプ世代には、かなり相性がいいです。

流行よりも作者の作風を楽しみたい人、少年マンガの直球な熱量をまだ摂取したい人向けの作品です。

そもそも打ち切り作品なので、梅澤春人好き意外が手に取るかと言われたら…うーん…。

鉄丸の父が『SWORD BREAKER』の虎一だと明かされ、額のダイヤ型のアザが示された場面は正直テンション上がりました。

ラスボスの目的も見えてきて、ここから本格的に広がると思った矢先の最終回だったので正直残念。

正直あともう1巻あればもう少しうまく畳めただろうに…と思いますが、最終話のこれからもブレずに行くぜエンドは衝撃的。見事な「俺たちの戦いはこれからだ」エンドでした。笑

未完にはなりましたが、物語は途中でも、主人公の姿勢だけは最後まで一切ブレずに描き切ったのはさすがです。

ソードブレイカーとの繋がりを、もっと早く明かしてたら…もしかすると…。

類似作品 こちらもオススメ!

最近の異世界転生モノで似てる作品は正直皆無です。笑

同じ異世界モノだと、『スピンナウト』(原作:西森博之/作画:春風邪三太)が感覚的にかなり近いです。「異世界に行くが適応しない」「現実側の価値観を持ち込んだまま暴れる」「不良気質×異世界という組み合わせ」「なろう以前の異世界観」とかなり共通点が。

あとがき

残念ながら異世界へ行っても作風まで転生することはありませんでした。笑

いやあ、本当に1ミリもブレないね。梅澤春人。昨今のなろう系とは似ても似つかない作品でした。

正直、これを期待していたし、受け入れられなかった理由も残念なことによくわかる。笑

ただ、やっぱり3巻で終わったのはもったいないですね。

『SWORD BREAKER』とのつながりが見えてきたところだったので、せめてもう少し畳む時間をあげてほしかったな。

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