圧倒的な画力と物語力!沙村広明のおすすめ漫画作品ランキング!

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繊細で緻密な描写が魅力の漫画家「沙村広明(さむらひろあき)」。

沙村広明の描く作品は、リアルで衝撃的な描写から、ユーモアたっぷりのコメディまで幅広く、多くのファンを魅了しています。

緻密なタッチと美麗な濃淡表現、臨場感あふれる迫力のある動きやアクションシーンの表現、そして深いキャラクター造形と心理描写が特徴的。読んでいるうちにぐいぐいと引き込まれる作品ばかり。

国際的にも高い評価を受けた『無限の住人』をはじめ、孤児院を舞台にした衝撃的なドラマ『ブラッドハーレーの馬車』、アニメ化もされた『波よ聞いてくれ』など、時代物からコメディまで多彩な作品を発表している漫画家、沙村広明のおすすめ作品をランキング形式で紹介します!

3位 ブラッドハーレーの馬車(ブラッドハーレーのばしゃ)

【あらすじ・作品解説
おそらくは20世紀初頭と思われるある国。
この国では貴族・ブラッドハーレーの提案による、ある恐ろしい計画が毎年行われていた。
それは刑務所の囚人たちの脱走を防止するため、孤児院の少女たちを無期懲役の囚人に差し出すというもの。
貴族のブラッドハーレーは、自身が孤児院から引き取った養女たちだけで構成されている、歌劇団を経営しており、孤児院の少女たちにとって、ブラッドハーレー家からの呼び出しは、歌劇団の一員なることができる、夢への第一歩だったが、現実は囚人たちへの生贄となる者が大半だった。
激しい性的欲求と破壊衝動をもつ主人達は少女たちを恐ろしいまでに痛めつけ、当然ながら少女たちが生き残るわけはなく……。
無限の住人の沙村広明が、マンガ・エロティクス・エフで不定期連載。
グロさとエグさで話題となった、過酷な世界に落とされた少女たちの姿を描いた物語。


【おすすめポイント・感想・レビュー
とにかくエグい!

もう、なんでこんな話を思いついたのかと作者に聞きたくなるくらいグロい、エグい。

きっかけは「赤毛のアンのような作品を描きたい」と思って始めた連載らしいですが、ホントかよ。

1話完結のオムニバス形式の短編集のような形をとっていますが、登場人物が後で別の話に出てきたりと、独立した話を繋げる仕掛けがされています。

そこに気付くと、単なるエログロストーリーではなく、ある程度一貫性のある物語だと分かるんじゃないかなと思います。

とにかく本当にエログロいので、その辺りの耐性がある方向け。

とくに印象に残ったのはジェーンとルビーというふたりの少女の物語。

養女に選ばれたジェーンに嫉妬し、自分が養女に選ばれるために、ジェーンを殺害してまで手に入れたブラッドハーレーの養女になる権利。

貴族の養女となるはずだった彼女の末路が悲しい。

2位 波よ聞いてくれ(なみよきいてくれ)

【あらすじ・作品解説
北海道札幌市のカレー屋の店員、鼓田ミナレ(こだみなれ)は、彼氏に金を持ち逃げされたことをきっかけに、ラジオパーソナリティーの道を歩み始める。
作者は『無限の住人』の沙村広明。過去作とは打って変わって「人の死なない漫画」をコンセプトにしたヒューマンコメディラジオ漫画。
2020年にTVアニメ化し、アニメと連動した実際のラジオ番組も放送されるなど、大きな話題を呼んだ

漫画で描くラジオ漫画!

おすすめポイント・感想・レビュー
他作品でもキレのある台詞回しは垣間見えていましたが、正直沙村広明がこんな昨品が描ける漫画家だとは思ってもいなかった。

絵と文字しかないにも関わらず、主人公のミナレの声はおろか、番組合間のジングルまで聞こえると錯覚するレベル。

そんでもって作中のラジオ番組も面白いという完璧さ。漫画とい媒体でラジオ番組を完璧に描ききってます。

ラジオが題材だからってラジオ収録で台詞ばっかりの漫画というわけでもなく、ラジオの企画を主軸にロケや取材など毎回いろいろなシチュエーションでラジオ番組作りが行われていて飽きない。

番組の構成作家の取材旅行に着いていってロケ収録をするはずが、何故か新興宗教団体に監禁される羽目になったりと、なかなかぶっ飛んだ展開が多いのも特徴。

加えて登場キャラクターたちの恋愛模様も魅力の1つ。

構成作家の久連木を一途に想うADの瑞穂、ミナレに惚れているカレー屋の同僚の中原、その中原に恋する訳ありの女マキエなど、一癖も二癖もあるキャラクターが恋に揺れる様にニヤニヤが止まりません。

カッコいい女性キャラクターが登場する漫画が好きな方、。そして深夜ラジオ好きにおすすめ。特にお笑い芸人のオールナイトニッポンやJUNK好きにはたまらないラジオ漫画。

好きな回は、第10話『お前を飢えさせない』の生放送シーン。

ミナレ初の冠番組『波よ聞いてくれ』の第1回。当日に言い渡された番組内容は「自分を裏切った男を殺した女による架空実況」。

ミナレは全編ほぼアドリブで、恋人を殺した女の独白を演じ切る。ミナレのアドリブ力と肝の据わりっぷりを堪能できる名シーン。

キレッキレのワードセンスで架空の物語を語りきるミナレがカッコいい&面白くて最高でした。

1位 無限の住人(むげんのじゅうにん)

あらすじ・作品解説
『無限の住人』は、沙村広明による1993年から2012年まで連載された時代劇風アクション漫画で、漫画家としてのデビュー作にして代表作。
両親を「逸刀流」に殺された少女・浅野凛(あさのりん)が、死ねない不死身の体をもつ用心棒・万次(まんじ)と共に復讐の旅に出るところから始まります。
1997年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞。
アニメ化や三池崇史監督、木村拓哉主演での実写化もされおり、日本だけではなく、海外評価も高い作品。

不死の痛みと生きる意味を問うネオ時代劇!

おすすめポイント・感想・レビュー
『無限の住人』は、沙村広明が描く時代劇アクションの名作。

不死身の剣士・万次と、復讐を誓う少女・凛の壮絶な旅路を描いた作品です。

古さを感じさせない絵の美しさや緊張感溢れる戦闘シーンが魅力。デビュー作とは思えないほど最初から上手いんだけど、最初から最後まで読んでいると画力の進化がえぐい。

圧倒的な画力とダイナミックな戦闘シーン
読んでいるこちらにも緊張感が伝わってくるほどのアクションシーン!

不死ならではの戦いも魅力だけど、不死でありながら痛みを感じるところが面白い。

斬られても死なないことはわかっているけれど、めちゃくちゃ痛いから斬られたくない。そんな万次の気持ちが伝わってくるから、戦闘が不死者が無双するだけの作品にならずに妙にリアリティがあるんです。

不死者でありながら決して無敵ではなく、むしろ苦戦することも多い万次の泥臭い戦い方が好き。

キャラクターの成長と深いドラマ
有限の人生を生きる凛やその他の登場人物と、無限の時間を生きる万次との、異なる死生観を描いている作品でもあると思うんだけど、長い旅の中で、変化していく凛と万次の心情も見どころです。

仇討ちの対象である天津影久率いる逸刀流の剣士たちが、ただのチンピラ集団から、話数を重ねるごとにどんどん魅力的になっていくもよかった。

敵なのに退場してほしくないと思える魅力的なキャラばかりです。

こんな人におすすめ
『ブラッドハーレーの馬車』同様に、耐性がない人には苦痛なレベルの残酷描写が多く含まれるので、万人にはおすすめできませんがグロ耐性ある方にはおすすめです。

最終回まで本当に長かったけどようやく完結。連載中は長すぎて途中ダレた感じもあったけど、改めて単行本で一気読みしてみるとやっぱり面白い。

途中で離脱してしまった人も読んで損はない名作です!

ラスト、卍が自分の小指を見て凛や影久を思い出すシーン。もう完璧すぎる。

最終的には仇討ちを完遂した凛と万次ですが、最後の最後で天津影久が子孫を残すことを許さなかった凛がその後、子供を生む選択をしたことも興味深いです。

最終回であっさりと数十年が経過してしまったけれど、欲をいえば二人のエピローグをもう少し見たかった。万次と凛はどこかで再会を果たしてくれてたらいいな。

描こうと思えばいくらでも続編やスピンオフ作り放題な作品なので、いつか読み切りでも生き残ったキャラのその後を読んでみたいですね。

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改めて読み直すと最初から最後まで無駄のない一本筋のストーリー。

類似作品 こちらもオススメ!

似ている作品はやっぱり三浦建太郎の『ベルセルク』でしょうか。『無限の住人』を説明するときに和風ベルセルクと説明するのが一番しっくりくる感じ。

あとがき

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ランキング1位はやっぱり『無限の住人』

改めて読み返すとやっぱり面白い。全く作風の違う『波よ聞いてくれ』も面白いので、完結したらまた順位変わるかもしれない。

『無限の住人』の最終回を読んで、京都で暴れまわる万次も見てみたいと思っていたけれど、続編で幕末編やりましたね!

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