知性とギャグがちゃんと両立している漫画家といえば、住吉九(すみよしきゅう)です。
頭を使う話なのに、読む手は止まらない。気づいたら次の話に進んでいて、「あ、もうこんなところまで来てた」となるタイプの漫画家なんですよね。
住吉九の作品は、ジャンルだけ見るとけっこう振り幅があります。
お金や国が絡む少し変わった戦いもあれば、高校野球を正面から描いた作品もある。ただ、どの作品にも共通しているのは、「この条件でどう勝つ?」をきっちり見せてくるところです。
そして読みやすさも特徴。
設定やルールはしっかりしているのに、説明くさくならない。
会話のテンポとキャラの癖でスッと読ませてきて、気づくと全員ちょっと好きになっているんですよね。
たとえば『ハイパーインフレーション』は、贋札を生み出す力を使った知略バトル。『サンキューピッチ』は、1日に3球しか本気で投げられない投手が主役の野球マンガです。ジャンルは違っても、「この状況、どうひっくり返すの?」という面白さは共通しています。
この爽快さ、バトルのない『ジョジョの奇妙な冒険』と言うと、わかりやすいかもしれません。制約の多すぎる能力や条件を使って、知恵と発想で局面を切り抜けていく感じが最高です。
派手に煽らなくても、ちゃんと面白い。
理屈で読ませて、笑わせて、最後は少し熱くなる。そんなバランス感覚が心地いい住吉九のおすすめ作品を、ランキング形式で紹介していきます。
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ハイパーインフレーション
あらすじ・作品解説
『ハイパーインフレーション』は漫画家・住吉九による経済ファンタジー要素を軸とした漫画作品。
物語は奴隷制度が残る架空の世界を舞台に、帝国によって家族を奪われた先住民の少年ルークが、体から紙幣を生み出す特殊な能力を得たことをきっかけに、支配と搾取が張り巡らされた社会構造へ踏み込んでいくことになる。
剣や魔法ではなく、通貨や価値、偽造と信用を巡る仕組みを武器に状況を切り開いていく展開が特徴で、ルークが能力と頭脳を駆使して戦う頭脳戦が魅力。
少年ジャンプ+に掲載され全6巻で完結。アニメ化も期待される高評価作品。
住吉九という漫画家の作風を強く印象づける作品として語られている。
おすすめポイント・感想・レビュー
正直に言うと、最初は絵柄を見てちょっと苦手なタイプかもと思いながら読み進めた作品でしたが、気がつけば夢中。まさに面白さのインフレが止まらない!
ギャグ漫画のテンポで話が進むのに、中身はかなりガチな心理戦。
住吉九という漫画家のセンスが、いい意味で暴走しきっていて、その勢いがとにかく心地いい。読み進めるごとに面白さが加速していく感覚は、久しぶりに掘り出し物を見つけた気分でした。
ノリはギャグなのに頭脳戦が本気
この漫画、ノリは完全にふざけてます。でも、やってることはめちゃくちゃ硬派です。
パワーワード満載で読んでいると本当にテンポの良いギャグ漫画を読んでいるよう。けど勢いだけで喋ってるように見えて、実はちゃんと情報整理と心理誘導をやってるのがすごい。
体から自由に紙幣を出せるという万能な能力を手に入れたルークですが、出せる紙幣はすべて同じ通し番号が印字されてしまっていたりと制約だらけ。
番号を知られたらアウトという縛りをどう活かすかが勝負の分かれ目になる構成が面白いです。都合よく勝てる展開はほぼなし。その代わり、金と論理と交渉だけで局面をひっくり返していきます。
キャラも絵柄もクセが強すぎる
主人公のルーク、そして敵対するグレシャム、フラペコ、レジャット。
出てくるキャラすべてが曲者だらけ。そしてだいたい全員変態。だけど全員が高IQ。笑
誰か一人だけが賢い漫画ではなく、単なるやられ役のような敵も、無能な敵も一切いません。いつだれが裏切るか、味方も敵も誰も油断できない展開が面白い。
変態だらけなのに、全員が理屈で動いている。そのアンバランスさがこの作品の中毒性だと思います。
完結までブレない構成
作品的には間もなく完結という、終盤に差し掛かった頃にSNSで一気に話題になった印象ですが、話題になってからも引き伸ばすことなかったのもかなり評価高い。
最終話まで一切の無駄なく、きれいに完結している作品です。
最後まで読んで振り返ると、下品なギャグや過激描写まですべてが「読者の油断を誘うための仕掛け」だったんじゃないかと思える完成度。
こんな人におすすめ
頭脳戦が好きな人には、かなり相性がいいと思います。
絵柄のクセや、ショタや下ネタ要素など人を選ぶ作品なのは間違いないですが、2巻以降から一気にギアが上がるタイプの作品なので、最初合わないかもと思った人もそこを超えたら一気にハマるはず。
無限に金を生み出して無双と思いきや番号が全部同じ。ってなってから、番号を知られずに守り抜く戦いが続きますが、それだけでは終わらず、番号がバレてしまった先の展開も用意してあって、一切飽きることなく楽しめる作品でした。
ルーク、グレシャム、レジャットそれぞれの陣営が、常に切り札を何枚も持っている状態で戦っているのが、裏切りの連続で楽しかった。
敵側の大人たちが、最後まで無能な敵にならなかったのが特に印象的です。全員が金と論理で動いていて、誰か一人だけが正解を握る構図にならないのが良かったですね。
インフレが進むにつれて、勝敗の意味そのものが崩れていき、最終盤で勝ったのに虚しさが残る感覚は、この作品ならではだと思います。
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※公開時の情報です。最新の配信状況は公式ページでご確認ください。
インストール不要ですぐ読めます。

作者、性癖隠す気ないな。笑
あとがき
あなたがランキング1位に選ぶおすすめ作品はどの漫画ですか?
まだランキングにまとめるほど作品数は多くありませんが、あらためて住吉九は読ませ方が本当にうまい!
毎話、というかなんなら毎ページごとに面白い漫画家なので、ジャンププラスのような配信系の媒体とよく合う気がします。
実は『ハイパーインフレーション』のときは正直一発屋で終わる漫画家だと思ってたんです。だって、この作品ですべて出し切ったと思えるくらい面白かったし、完成度が高かったんだもの。汗
でも『サンキューピッチ』を読んで、ジャンルが変わっても面白さの芯がブレていないのがよくわかりました。
制約だらけの状況を、知恵と会話とテンポでひっくり返す。その気持ちよさが、どの作品にもちゃんとあります。
この先も、どんなジャンルであっても住吉九らしい知略とギャグを見せてくれそうで楽しみです。
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