90年代に少年ジャンプで「封神演義」を連載してヒットを飛ばし、
当時の少年ジャンプの看板漫画家の1人となった藤崎竜(ふじさきりゅう)。
ファンタジックな画風が特徴で、
さらに人物の衣装や背景などの緻密な描きこみがすごい。
この作業量は改めて見るとここまで描きこんでいるのかと驚かされる。
原作付きの話が多いけど、そのどれもが独自のアレンジによって、
フジリューのオリジナル作品として完成されている。
少年ジャンプで描いてた後、しばらく読んでなかったけど、
未だにマイナー誌に移らずに大手週刊誌で
コンスタントに連載続けてるのはすごい。
銀英伝を藤崎竜が描くってことで気になったので、
過去作品も改めて読みなおしてみた。
そんなわけで今回は藤崎竜のおすすめ漫画ランキング!
目次
7位 かくりよものがたり
(作品解説)
藤崎竜久々のオリジナル作品。
霊場カミツヨミドの姫・アメと幼馴染のサルタヒコが、 人を襲う様々な怨霊を鎮めるというバトルコメディ(?)。
時代は現代、舞台は架空の日本で、歴史上の人物の怨霊が様々入り混じる。
こちらの作品はフジリュー原作なのだが、本人原作のものはこれまでことごとく打ち切りとなっており、この作品も例に漏れず事実上の打ち切りとなっている。
(感想)
フジリュー節炸裂な今作。
美麗なイラストとトーン使いに
独特なキャラデザ、しっちゃかめっちゃかなバトル。
「そんなのアリか?いや、アリだ」なパターンが多い多いw
個人的にキャラの中で一番好きなのがニギ。
サルタヒコに「飴と鞭」でいいように使われている彼女が愛しいw
あと、アメのヤバいほどの献身的精神は読んでいて気持ちいいほど。
最近の藤崎竜はふつーに可愛い女の子描かなくなったな。
第一幕が終わって連載も終わってしまったけど
このまま続いていたらアメはどうなるのか気になる。
…けど続きがどうしても読みたいっていうほどの
作品にはならなかった。
第二幕あってもランキングは変わらないと思う。
ちなみに単行本表紙を横に繋げると、
水面の動きがピッタリ繋がるようになっています。
どんな漫画でもそうだけど、
単行本派にとってはこういうところって地味にうれしい。
6位 銀河英雄伝説(ぎんがえいゆうでんせつ)
(作品解説)
銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムと自由惑星同盟ヤン・ウェンリーの二人の天才が宇宙で戦争を繰り広げる。
全く違う環境に育ち、戦う理由も違う二人。軍配はどちらにあがるのか・・・。
アニメ、漫画、映画、舞台など様々な広がりをみせる作品。
(感想)
少し前に宝塚で舞台化されたことを皮切りに再度ゲーム化されたり、
最近また注目が集まってる気がする。
銀河英雄伝説を藤崎竜が漫画化するってきいて、
どんな風になるのか驚きすぎて想像できなった!
アニメも見てたから、
藤崎竜・・・えーっ!!えーーっ!!!と。
読んでみてなるほどな。
本当に藤崎竜はキャラの脚色が上手い。
アニメのキャライメージと藤崎竜の絵のギャップが強すぎて、
まだ違和感ありありだけど(笑)
今後どうなってくのか楽しみ。
キルヒアイスかわいすぎないかww
封神演義、屍鬼みたいに銀英伝をの原作にも手を加えてくるんだろうか?
ランキングはとりあえずこの辺に。
5位 サクラテツ対話篇(サクラテツたいわへん)
(作品解説)
藤崎竜の連載作品。アルバイターのテツのもとに未来人、地底人、宇宙人などがテツの住んでいる土地を目的に次々と押し寄せてくる。
ヒット作「封神演技」の次の作品だったが単行本2冊分で打ち切りとなってしまった。
(感想)
なんだか藤崎竜がやりたいほうだいやった感じの
ハイテンションなまんがだったな。
設定とかもすごい独特だった。
最後の方は漫画と現実のはざまとか言い出して、。
読者とか漫画神とか出てくるしでもう大変だった。
それにしても対話篇っていうけどそれ以外の篇はないんだろうか。
個人的には出てくる女のキャラがすごいかわいかった。
ほんとこの人の書くキャラクターは魅力的だとおもう。
4位 Wāqwāq(WaqWaq ワークワーク)
(作品解説)
藤崎竜の週刊少年ジャンプ最後の連載作品。
全部で4冊の単行本がでている。
砂漠だらけの世界の中、防人といわれる主人公は村で出会った少女を守りながら他の防人と戦っていく。
ワークワーク 1 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 ふ 26-4)
(感想)
相変わらず絵がうまい。
機械とかメカの絵がほんときれい。
王道バトル漫画なんだけど、
藤崎竜のテイストとまじわって独特な雰囲気。
てゆうか一番印象的なのはレオ顔変わり過ぎだろこれっていうとこ。
25話ぐらいで世界の謎(機械と人の関係とか神様のこととか)が
いろいろとけてこういうことだったのか!となった。
読み始めた人はぜひこのあたりまで読んでほしい。
3位 屍鬼(しき)
(作品解説)
舞台は土葬の習慣が息づく小さな山村。
連続する村人の死を不審に思う町医者・敏夫らは、やがて「起き上がり」という謎の存在に気づく…
アニメ化もされた人気作。
原作は「十二国記」の小野不由美。
「起き上がり」と呼ばれる吸血鬼と、人間たちとの戦いを軸に、様々な人間ドラマを流麗なタッチで描いたエンタメホラー漫画。
(感想)
藤崎竜は有名原作に負けないな。
キャラもストーリーもだいぶ変えてるにも関わらず、
パトレイバーのように藤崎竜版「屍鬼」という感じで普通に面白い。
藤崎竜のセンスが光るキャラデザイン。
どのキャラも個性的に魅力的に描かれている。
画力が高い分、怖さやグロさのレベルも高い。
カーテンを開けると窓に「起き上がり」
となった女がへばりついてるシーンなんて…
ただ怖いというだけでもなくて、
「起き上がり」は生前の記憶や人格はそのままなので、
そこが悲劇的でありおもしろい。
化け物となったことを喜ぶ者、苦しむ者、戦いを挑む者…
残された人間側でも、
最後まで戦う者、起き上がりに共感する者、
憎む者など、様々な思いが混じりあう。
たくさんの登場人物たちが織り成す人間ドラマから目が離せない。
気がつけば最終巻まで一気に読んでた。
原作知らなくてもオススメです。
封神演義に続いて屍鬼でも当てたことで、小畑健と同様、
藤崎竜は原作付きを任せておけば間違いないと漫画家だと印象づけた作品。
(封神演義はほぼオリジナルだけどね)
2位 封神演義(ほうしんえんぎ)
(作品解説)
古代中国の神話の一つを舞台とした、シリアス……ではなくギャグ漫画!
しかし、時には泣けることも!?読んでみればわかる面白さ!
魅力的なキャラと世界にあなたも引き込まれる!?
(感想)
ちょうどるろうに剣心が看板時代のジャンプだったのもあって、
封神演義とるろ剣には女性読者が集中してた覚えがある。
古代中国を舞台とした長編漫画。
殷の時代っていうなんとも少年漫画らしくない時代設定。
けど、かなり楽しく読んでたな。
歴史関係ないので苦手な人にもおすすめできる。
原作があるからしょうがないんだけど、
とにかく次から次へと新キャラが出てくる。
最初、太公望のあまりの弱さと申公豹あまりの強さに
恐ろしい長編マンガが始まったと思った。
封神終わるまでどんだけかかるんだよってw
間延びもせず、打ち切りにもならず綺麗にまとめてくれた作品。
1巻から最終巻までまとめ読みすると間違いなく名作だと実感する。
1位 PSYCHO+(サイコプラス)
(作品解説)
封神演技で知られる漫画家、藤崎竜の初連載作品。
主人公が超能力を手にする所から始まる。
最近の作品とは絵柄が全然ちがうが、徐々に封神演技のころの絵柄に近づいていっている。
ドライブAとドライブBの2冊がある。
(感想)
藤崎竜特有の持ち味が出ていた作品だったと思う。
キャラの表情とか服の書き方とか。
ストーリーはまあボーイミーツガールって感じの超能力SFもの?
携帯ゲームと超能力のコラボにとにかくワクワクした。
今だとDSだけど当時でいえばゲームボーイか。
ゲームの操作と現実での影響がリンクしていて、
ゲームをすればするほどゲームのレベルも超能力のレベルも上がっていく。
ゲーム少年にはたまらない展開だったなぁ。
フジリューの原作なしのオリジナル作品の中で一番好き。
連載がすぐ終わっちゃったけどもっと続き読みたかった。
というか打ち切り決まってのあの展開なんだろうけど、
もっとゆっくり読みたかったな。
藤崎竜リメイク希望ランキングでもこの作品がトップ。
封神演技とか読んでフジリュー作品
もっと読んでみたいって人におすすめ。
あとがき
藤崎竜はホントオリジナル作品ことごとく一般受けしないなぁ。
描きたいことが世間のだいぶ斜め上を行ってるw
逆にハマった時の破壊力はすさまじいんだけど。
前はコミックスのあとがきでは突拍子もない妄想を延々と書き連ねたり、
「封神演義」では「物の存在する確立を変化させる宝貝」という作者も
よくわかってないという哲学的な宝貝が出てきたり
作品の中にバンバン哲学ネタ入れてきてたけど、
昔と比べるとだいぶ哲学的な話はやらなくなってきてるね。
原作付きに関しては、どれも単純に
フジリュー版が読みたいと思えるいい作品だらけ。
オリジナルいじっくて面白いマンガにする能力をもった漫画家。
原作付きなら「封神演義」「屍鬼」。
限りなくフジリューらしい作品読みたければ
「サクラテツ」「ワークワーク」読んどけば間違いない。
オリジナルでも短編はいい作品多いので、短編集もオススメ。
(短編はそのうちまとめよう)
ランキングは完全に個人的好みだけどさすがに1位はやりすぎか(笑)
でもだれがなんと言おうとサイコプラスは間違いなく名作なのだ!
当時の即打ち切りの頃のジャンプでの連載だったのが悔やまれる。