心を揺さぶる漫画家「間瀬元朗(ませもとろう)」。
間瀬元朗の作品は、ただの青年漫画という枠を超え、読者の心に深く響くメッセージを持っています。映画美術と脚本の勉強を経て、独特の視点で世の中を描く間瀬元朗の作品は、一度読んだら忘れられない魅力に満ちています。
面白い切り口の設定をまず作って、そのあとにそこに合わせてストーリーを作っていくという感じ。漫画の世界観を表現するのがうまい漫画家。
一人一人の心の動きがリアルに感じられるキャラの細かい描写が魅力的。その結果、まるで映画を見ているかのような感覚に引き込んでくれます。
そんな深い心理描写と独特なテーマで読者を魅了する間瀬元朗のおすすめ作品をランキング形式で紹介します!
イキガミ
あらすじ・作品解説
小学校入学と同時に受けさせられるワクチン接種によって、18歳~24歳の間に1000人に1人の確率で命を落とす。
命の大切さを再認識させることで、国民の生産性を上げることを目的とした「国家繁栄維持法」という法律が存在する世界での話。
2008年に松田翔太主演で映画化もされた間瀬元朗のヒット作。
おすすめポイント・感想・レビュー
- 明日地球が終わるとしたらどうする?
- 明日死ぬとしたら何をしたい?
という、誰もが一度は考えたことのありそうな題材がテーマ。
「イキガミ(逝き紙)が届いた人間は24時間以内に確実に死ぬ。」「その死から逃れる術はない」という設定の中で物語が進行していくので毎エピソードごとに必ず登場人物が死にます。元ネタは戦時中の赤紙ですかね?
なので、毎話毎話全てががクライマックス!
過去の復習を果たそうとする人。未来に何かを残そうとする人。実感が持てず最後の24時間をダラダラと過ごしてしまう人など、様々な登場人物の最後の1日を、イキガミ配達人の主人公藤本を通して描かれていきます。
こんな人におすすめ!
ありえないぶっ飛んだ設定でも漫画だからと割り切れる方、お涙頂戴ストーリーに抵抗感のない方なら、読んで損はないかと。
ネット上の評価は賛否両論みたいですが、「最後の1日をどう過ごすか?」という人間ドラマを描いた漫画としては面白い作品だと思う。
残念ながら恐らく最後は打ち切りだったのかな?とはいえ、打ち切り作品とは気づかないほど、中途半端ではなく最後までキレイに伏線回収して終わっているのは見事。
国家繁栄維持法の設定がありえなさすぎて受け入れられないっていう人も多いみたいね。
この辺は、SF要素の少なさが原因な気がする。
バトルロワイヤルにしてもデスノートにしても、ありえない突飛な設定なのは変わらないんだけど、イキガミの場合はリアル社会っぽく描いている分、フィクションっぽさがなくて余計に設定の粗が目につくのかもしれない。
実は日本ではなくてっていうオチも個人的には好き。根本的な解決はされず亡命エンドなので、やや消化不良ではあるものの変に風呂敷を広げすぎずにきちんと終わらせてくれた。
そもそも主人公のメインストーリーよりも、オムニバス形式の各エピソードこそがメイン。
なのでそちらがマンネリ・ネタ切れになる前に終わらせたのは正解だと思う。
無料立ち読み
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10巻で結末までキレイにまとめた良作。
あとがき
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